紬/楓子barmy army

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TELEVISION / Double Exposure


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ハードコアを聴きまくっていた10代半ば、モダーンな友人が持ち込んだ1枚。それがテレビジョンのマーキームーンとの出会いであった。しかし所詮は焼肉定食しか知らんガキ、1曲目を聴いたところで「何じゃこの軟弱な音は……。こうしてくれるわ〜。」と手裏剣にして返品願った。すでに10代にして刺身定食を知っていたモダーンな友人は「まだまだやな〜」と完璧に上からの目線で帰途についたのであった。「何じゃい!おととい来やがれ!」と塩をまくことは知っていた10代のワシ。まさかこのバンドが後に週に1度は聴くことになるなんて焼肉定食少年はつゆ知らず……。


ベルベット正統派直系であり、ニューヨークの緊張を真っ当に受け継いだ4人衆、繊細に美しく、静かに燃え上がる叙情的なそのサウンドは青い炎と称されるほど、冷たく熱い。マーキームーンもアドベンチャーもそりゃ名作だが、このブツはデビュー前にイーノのプロデュースで制作されたデモなのである。ボツになってお蔵入りとなった幻のデモなのである。収録曲はProve It、Friction、Venus(Venus De Miloとのクレジット、しかもスピード速し)、Double Exposure、Marquee Moonの5曲。すでに貫禄のプレイだが、初期衝動的エネルギーに満ち溢れている。この音源にはさらにオリジナルメンバーのリチャード・ヘル在籍時の75年@CBGB'Sでのライブ音源も3曲掘り込んどいたれという、しかもなんやったらニューヨーク・パンクのバイブルともなるVOIDOIDS / Blank GenerationのTELEVISIONヴァージョンまで収録するという、ファン垂涎の逸品なのである。


トムとリチャードの神経質に絡み合うギターに思わず瞑想、うっとりしながら目を開けるとカミソリでズタズタに切り刻まれ、血が滴るのに痛みを感じず惚けているような対極のワビサビを体験させてくれる。肉体的な痛みを通過した若き諸君よ、肉から魚にメインが変わったら是が非にでも聴いて欲しい1枚。因みにソニックユースをテレビジョンの継承者だと言い張るような無知で下品なヤカラとは、何も一緒に楽しめんわい。
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by barmyarmy | 2009-09-09 23:21 | 昼行灯レコード