あかん...景気悪いとイリーガルな事ばっかり考えてもてあかんがな(笑)。
え〜本日、ピカリシャスXのハゲッチ来店。がはははは。早速ばらしてもた。すまぬ。多分、次回のライブからハンチングかぶってスクリームやな。AC/DCみたいでええがな。がははははは。すまぬ。
さて、ひき続きの「マントヒヒ」。(最終回)
「マントラー マントラー マントラー」
と3回唱えた俺は、ぶっ倒れておる仲間をしり目に、恐怖の惨劇のスタートとなったその日のライブに来てしまった事を猛烈に後悔。
「後悔先に立たず」(詠み人知らず)
そんな悠長な事考えてる場合ではない。
ひと段落つき、次のバンドがセッティングを始める。フロア(土間)のサイドに置かれたうどん屋風のイスに腰掛け、恐怖と緊張のあまり高鳴る鼓動をおさえながら、次は一体どんなバンドなんや.......と。どうやら嘔吐(この頃は漢字表記だったのよ)らしい。隣で座っている兄ちゃんも、何やもの凄いイカツイがな。あかん.....知らんふりしとかんと。
再度、「マントラー マントラー マントラー」と心で唱える。
ほどなくセッティングが完了。いきなりボーカル不在で演奏開始。うわぁ〜始まったがな〜。
どうする俺。
まだ座ったままやん。
早く立たねば。
どうする俺。
とその時、
「ジャ〜ン!」
と演奏に間があき、何やっと思った瞬間、隣のいかつい兄ちゃんがイスを蹴り倒し、マイクを握りこう言った。
「嘔吐じゃいっ!」
.........きっ、きみがボーカルだったのね。
「ええい、もうどうにでもなれ!」
そう決心した俺は、もみくちゃの輪の中へと。
しばし豪ノリの中、怖い、でも楽しい、でも怖い....とリフレインが続く。
とその時、ギターの人が弾きながら俺の前に。こちらも豪ノリで拳あげて、のってるぜの合図。するとニヤリとした後、弾いてたギターのヘッドをワシの咽に直撃。
「嘘ぉぉぉぉぉ〜」
薄れゆく意識の中、フロア(土間)に大の字になる俺。さらに歪んだ視界には、もう一人の仲間も崩れていく.....。
気付いた時には、仲間すっかりノックアウト。
それでもなんとか初ライブを終えたチューボー3人は、放心状態の中、表に出てジュースを買う。とそこに嘔吐のメンバーが。
ライブを終えたメンバー達は、ライブ中とは違い、きさくに俺達に話しかけて来てくれた。
「自分等、どっから来たんや?」
とメンバーの1人に聞かれ、
「こっ神戸です。」
と緊張のおももちで答える。
「そうか、神戸か。ほんでトシはいくつや?」
「中学3年です。」
とまたもや緊張のおももちで答える俺等。
「そうか、中3か......俺等より1っこ年上やな。」
..........君たち年下だし、しかも中学2年生だったのね............。
こうして初ハードコアの夜は更けていったのである。